汐見台工科大学 音響情報学研究室
Aihara Laboratory, Shiomidai Institute of Technology

ざらつく波形と、その向こう

2020-04-12

新年度最初の更新。ハイドロフォンで拾った波形は、いつだって少しざらついている。学生はまずこのざらつきを「汚れ」として除去したがる。気持ちは分かる。教科書の波形は、いつも滑らかだから。

だが考えてみてほしい。あのざらつきの中身は、遠くの船のスクリュー、数百km先の驟雨、海底を歩くカニの足音、名前のつかない無数の出来事だ。ノイズとは「まだ名付けられていない信号」の別名にすぎない。私はあのざらつきの向こうにこそ、本物の海があると思っている。

今年度は南鳥島沖の長期観測が第3年次に入る。77基のブイが、今夜も海のざらつきを録り続けている。その中に何が眠っているか、まだ誰も全部は知らない。楽しみだ。(相原)

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